沖縄料理研究家に教わる! 「ゴーヤーチャンプルー」と「ソーメンチャンプルー」
夏になると食べたくなる沖縄料理。ハードルが高そうに思えても、実はフライパンひとつで簡単に作れます。今回は、沖縄料理研究家で管理栄養士の宮澤かおるさんに、沖縄のソウルフード「ゴーヤーチャンプルー」と「ソーメンチャンプルー」のレシピを教えていただきます。
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宮澤かおる
沖縄料理研究家/管理栄養士。沖縄の言葉で“命の薬”を意味する「ぬちぐすい」をモットーに、沖縄の食文化や沖縄島野菜の魅力を伝えるため、沖縄料理や琉球料理レシピなどを配信している。
Instagram:@riyuukiyuu1026
沖縄料理研究家でありながらも、生まれも育ちも生粋の埼玉県人だという宮澤かおるさん。沖縄料理に魅せられた理由を聞いてみると、こんな答えが返ってきました。
管理栄養士なので、食べ物に含まれている栄養素が大好きなんです(笑)。沖縄料理に使われる島野菜は、ビタミンやミネラルなど栄養が豊富に含まれているものが多く、栄養素好きとしては放っておけませんし、沖縄県外の方や次世代にも伝えたくて!
とくに島野菜の代表格・ゴーヤーは、約半分で1日に必要なビタミンCが摂取できるんです。ビタミンCは、ストレスに対抗するホルモンをつくる手助けや、体内でコラーゲンをつくり皮膚の健康維持、老化を予防する働きもあって、夏バテ防止にも効果的。
この夏は、今回お伝えする「ゴーヤーチャンプルー」で、ぜひゴーヤーをたくさん食べてほしいです!
栄養のプロ・宮澤さんお墨付きのゴーヤー。からだ思いの優秀な食材とはいえ、やはり気になるのがあの独特な苦みです……。
ゴーヤーの苦みが気になるなら、まずはゴーヤーの見分け方を知っておくといいと思います。緑色が濃ければ苦みが強く、薄ければ苦みも弱めなので、色の濃さでゴーヤーを選ぶのがおすすめです。
ゴーヤーの魅力と豆知識を聞くと、今回伝授していただく1品目の料理「ゴーヤーチャンプルー」への期待が高まります。というわけで、早速教えていただきましょう!
宮澤さんが夏こそ食べてほしいという、沖縄のソウルフードの「ゴーヤーチャンプルー」。少しの手間と、ある調味料を活用することで、苦みを抑えたおいしい1品に仕上がるそう。
ゴーヤーは薄切りにし、塩と混ぜ合わせる一手間で苦みが抑えられます。さらに隠し味にオイスターソースを使うことで、よりまろやかな味わいに。お子さんでも食べやすいですよ!
- ゴーヤー…1本
- 木綿豆腐…1丁
- にんじん (細切り)…1/2本
- 豚コマ肉…80g
- 溶き卵…1個
【A】
- 塩…小さじ1/2
【B】
- 塩少々
- 小麦粉…大さじ1と1/2
【C】
- かつおだしの素…小さじ1と1/2
- オイスターソース…小さじ2
- ごま油…大さじ2
【1】ゴーヤーは縦半分に切り、種とワタを取り除く。1〜2mmほどの薄いスライスにして【A】を入れて混ぜ合わせる。
【2】豚コマ肉は【B】で下味をつける。
【3】木綿豆腐は食べやすい大きさにきり、キッチンペーパーで抑えて水気を拭き取る。
【4】フライパンにごま油(大さじ1)を入れ熱し、木綿豆腐を加えて両面焼き、焼き色がついたら一度取り出す。
【5】フライパンに残りのごま油(大さじ1)を加え熱し、豚コマ肉を炒めて肉の色が変わったら、【1】のゴーヤーと、細切りにんじんを加え炒める。
【6】全体が炒まったら豆腐、溶き卵、【C】を加え、強火で手早く炒め合わせ、器に盛ったら完成!
そして2品目に教えていただくのは、夏の時短料理の強い味方・そうめんを使った「ソーメンチャンプルー」。こちらも沖縄のソウルフードとしてお馴染みですが、本来は違う呼び名が正しいのだとか。
沖縄の言葉では、油でさっと炒める調理法を“タシヤー”と言うので、本来は「ソーミンタシヤー」が正しい料理名なんです。ただ、最近はその親しみやすさからソーメンチャンプルーと呼ばれることが多いですね。
昔ながらの作り方だとネギと塩のみのシンプルな味付けが多いですが、今回はツナとニラを加えてバランスの良いレシピをご紹介します! キハダマグロ系のツナ缶だと、より旨味を感じますよ。茹でたそうめんにごま油をまぶすと、さっと炒めやすくなります。
- そうめん(乾)…2束(約200g)
- ツナ缶…2缶
- ニラ(2cmの長さにカット)…1/2束
- ごま油…大さじ2
- 油…小さじ1
- 鰹節…お好み
【A】
- かつおだしの素…小さじ1と1/2
- 塩…少々
【1】深めのフライパンに水をたっぷり加えて沸騰させ、お湯が沸いたら強火のまま、そうめんを加える。菜箸で軽く混ぜながら、そうめんのパッケージに記載されたゆで時間の半分の時間で茹でる。
【2】茹で上がったそうめんは水で軽く洗ってザルで水を切り、ごま油を全体に回しかけて混ぜ合わせる。
【3】水でさっと洗い水気を拭き取ったフライパンに油を加えて熱する。ニラと油を軽く切ったツナ缶を加えて全体に油がまわったら、そうめんを加え炒める。【A】で味をつけて、お好みで鰹節を乗せたら出来上がり!
フライパンで簡単に出来上がった「ゴーヤーチャンプルー」と「ソーメンチャンプルー」。キッチン中にカツオ出汁の良い香りが漂います。宮澤さん、今日のチャンプルーのお味はいかがですか?
まずは、「ゴーヤーチャンプルー」から。
いつも通り、毎日食べたいくらいおいしいです(笑)。豚肉に小麦粉をまとわせることで旨みと甘みがぎゅっと凝縮していて、ほどよい苦みのゴーヤーとよく合います。今回は、皮膚や粘膜の健康維持の働きがあるβカロテン豊富なにんじんも加えているので、美肌効果も期待できますよ!
続いて、「ソーメンチャンプルー」の感想もお願いします!
うんうん。シンプルな素材と味付けですけど、ツナの旨みがいい仕事をしていますね。そうめんとツナ缶はストックしているご家庭も多いのでは? 夏休み中の子どもたちのランチにもぴったりなので、ぜひ作ってみてほしいです!
子どもから大人まで楽しめる「ゴーヤーチャンプルー」と「ソーメンチャンプルー」で、この夏は沖縄気分を満喫してみて。
撮影:藤原葉子
編集:ノオト
船橋 麻貴
ふなばし・まき
雑誌やWEB、広告などで執筆中。生涯の目標に締切厳守を掲げるものの、いろいろ遅れがちな人生。特技は暴飲暴食と思いつき旅。焼き菓子&パン1年生。
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